住宅設計についての指針、考え方
まず私達は過度なデザインをすることを好みません。多くの人達は往々にして建築家とは建物の外観やインテリアの色/形を考える職能のことだと解釈しています。しかしそれだけでは建物は長い間付き合うにあまりに不十分です。建築で大切なのはそういった目に見える部分なのではなく、それら「形と形の間にある空気の部分」なのです。
簡単に言えば私達はそういった「空気の部分(風景)のデザイン」をしたいと考えています。繰り返しになりますが、それは壁や天井の形/色のことでなく、「そうした壁や天井によって囲われた空気の部分」への関心です。なぜなら、そういった「空気の部分」にこそ人がいるのだし、そこにこそ人が住まうのですから。こうした空気こそ私達が毎日生きてゆく風景や情景そのものなのです。私達は形や色で遊びたいのでなく、建物が完成したときのその場所(空気)の雰囲気や風景について思いを巡らせたいのです。
テラスでお茶を楽しむ笑い声、セミの鳴き声にむせかえる中庭、静まりかえった中庭を通り過ぎる風の匂い、木陰で本を読み耽る姿、満面の星を映し出すガラスのグラス。こうした「生活の風景」に思いを馳せることは、赤い柱や黄色い壁、曲がりくねった天井や三角の窓の形態を考えることのいったい何倍大切なのでしょうか?こう考えてくると「物でなく空気」について考えるということがいかに大切であるかがおわかりいただけることと思います。
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