美しくも厳しい環境。吹き付ける風から室内空間を守り、風を受ける面積を減らすための「地」の建築 山肌の別荘
尾関建築設計事務所・尾関 勝之
 
 
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設計のポイント

近年、軽井沢で傾斜地の設計依頼が増えた。
通常、傾斜地では一番高いレベルを基準として1階の床を設定する。そのため、斜面地の建物は下から見上げると大きすぎて軽井沢の木立の中では存在感がありすぎる。私は常から建物を傾斜の中に埋没させ、建物の存在感を消すことができないか考えていた。
軽井沢に多くみられる高床式住居に対する地中に埋没した「地」の建築である。
敷地は斜面地を切り開いた別荘地の頂上付近にあり、北側斜面ながらも浅間山を一望する景色の良い場所にあった。
軽井沢は夏期の深い緑をはじめ、厳冬の凛とした空気の中で見る浅間山もたいへん美しい。一年を通じてこの絶景を楽しむことはできないかと考えた。
しかしながら、冬は厳寒、夏は多湿の軽井沢において四季を通じて絶景を楽しむためにはいくつか工夫が必要であった。この敷地は冬季に尾根に沿って厳しい寒風が吹き、立っているのがやっとであった。どうやら山の中腹にあるこの敷地は風の通り道のようである。そこで吹き付ける風から室内空間を守り、風を受ける外壁面積を減らすため、「地」の建築を作ろうと思った。
急斜面なので1層分建物を埋めても地下部分の開口部は十分とれる。幸い地盤も軽井沢特有の軽石混じりの軟弱地盤ではなく岩盤だ。後はその強固な岩盤をいかに削り取るかである。
急斜面の掘削工事は言わずと難航を極め、結局小さい別荘ながらも工事に1年もかかってしまった。最後にデザイン意図を十分汲み取り、ご理解頂いたクライアントに感謝したい。

尾関建築設計事務所・尾関 勝之      他作品・「喜連川の家」 「藤岡の家」 「落葉松山荘


  作品データ  
  ■場所/長野県
■構造/1F-RC造 2F-S造
■総床面積/98.61m2
■竣工/2006年11月

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